想いをつなぐ相続コンサルタントKayoこと 中垣香代子です。
横浜を拠点に、大切なご家族の想いと資産をつなぐお手伝いをしています。
相続対策を考え始めるとき、多くの方が「税金はかかるのか」「いくらかかるのか」「誰に何を分けるか」ということに目を向けがちです。しかし、私が相続コンサルタントとして大切にしているのは、「残された配偶者が、その後も安心して暮らしていけるかどうか」という視点です。
そろそろ相続のことを考え始める世代は、専業主婦としてご家庭を支えてこられた方の割合がとても高いのが特徴です。しかし最近では、「うちはずっと夫婦二人とも会社員として働いてきたから、お互いに厚生年金もあるし、万が一の時も心配ないわよね」という共働きのご夫婦の相談も増えています。
ここで、すべてのご夫婦に質問です。「もしご主人が亡くなった後、ご自身の年金と遺族年金を合わせて、毎月いくら受け取れるか把握していますか?」
実は、ここを知らずに相続対策をしてしまうと、長生きした際に「二次相続を考えて子どもたちに多めに相続させたけれど、生活費や医療介護費が足りなくなりそう…」という事態に陥ってしまう恐れがあるのです。
今日は、元専業主婦家庭はもちろん、実はさらに深刻な影響を受ける「元共働き夫婦の遺族年金の落とし穴」について詳しくお話しします。
※夫婦ともに、すでに老齢年金を受け取っている場合を想定しています
もと専業主婦家庭の場合:夫婦二人の時の年金は、一人になると「約3割〜4割減」に
まずは、専業主婦として家庭を支えてこられたご夫婦のケースから見ていきましょう。

この図、見かけることも多いと思います。
1階部分の国民年金は、原則20歳から60歳まで全員が加入対象となります。
会社員や公務員は、この1階部分に加えて2階部分の厚生年金にも加入します。
■夫婦2人が健在の時の年金
(老齢基礎年金は満額・未成年の子どもはいないと仮定)
2026年度の老齢年金平均受給額をベースに計算しました。
夫の年金:老齢基礎年金(国民年金) 7万円 +老齢厚生年金 10万円
妻の年金:老齢基礎年金(国民年金) 7万円+老齢厚生年金 0万円
2人の合計:24万円(年間288万円)
■ご主人が亡くなられた際の遺族年金
さて、老齢年金を受給中のご主人が亡くなった場合、残された奥様が受けとることができる年金は、いくらになるでしょうか。

遺族年金は、次の2つの計算結果から多い方を選択できます。
①亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3
②亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1+自身の老齢厚生年金の2分の1
実際に計算してみましょう。
①10万円×3÷4=7.5万円
②10万円÷2+0万円÷2=5万円
①の方が多いので、このケースの遺族厚生年金は①の金額となります。
残された妻の年金は…
・妻の老齢基礎年金 7万円
・夫の遺族厚生年金 7.5万円
合計 14.5万円
ご主人と2人で受け取っていた時は24万円だった年金が、ご主人が亡くなった後は14.5万円となります。
6割にも満たない金額に減ってしまうのです。
【実はさらに深刻!】もと共働き夫婦の場合:年金がなんと「ほぼ半分」に激減?
続いて、もと共働き夫婦の例を見てみましょう

■夫婦2人が健在の時の年金
(老齢基礎年金は満額・未成年の子どもはいないと仮定)
2026年度の老齢年金平均受給額をベースに、妻の老齢厚生年金が6万円と仮定して計算しました。
夫の年金:老齢基礎年金(国民年金) 7万円 +老齢厚生年金 10万円
妻の年金:老齢基礎年金(国民年金) 7万円+老齢厚生年金 6万円
2人の合計:30万円(年間360万円)
■ご主人が亡くなられた際の遺族年金
①亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3
②亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1+自身の老齢厚生年金の2分の1
①10万円×3÷4=7.5万円
②10万円÷2+6万円÷2=8万円
②の方が多いので、このケースの遺族厚生年金は②の金額になります。
残された妻の年金は…
・妻の老齢基礎年金 7万円
・妻の老齢厚生年金 6万円
・夫の遺族厚生年金 8万円
合計 21万円
と言いたいところですが、
妻が厚生年金を受け取っている場合、その分遺族厚生年金が減らされてしまいます。
正しい金額は…
・妻の老齢基礎年金 7万円
・妻の老齢厚生年金 6万円
・夫の遺族厚生年金 2万円 (夫の遺族厚生年金8万円ー妻の老齢厚生年金 6万円)
合計15万円
ご主人と2人で受け取っていた時は30万円だった年金が、15万円となります。
半分に減ってしまうのです。
2人での生活が1人になったからと言って、生活費が半分になるわけではありませんよね。
この「収入は大きく減るのに、支出はそこまで減らない」というギャップが、のちに暮らしを圧迫する原因になります。
「長生き」を見据えた本当の相続対策を

残された配偶者が受け取る年金額を知らないまま、「自宅は妻に」「預貯金は妻子で均等に」と分けてしまうと、どうなるでしょうか。
奥様が長生きされた際、毎月の年金だけでは生活費が足りなくなり、預貯金が想定以上に早く減ってしまい、最悪は老後資金のショートに陥ってしまう恐れがあります。
本当の相続対策とは、「これからの暮らしにいくら必要なのか」をあらかじめ数字で見える化しておくことです。
私は、あなたの漠然とした不安を解消するために、将来のお金の流れを予測する「キャッシュフローの作成」をお手伝いしています。 「毎月の年金はこのくらいになるから、手元に現金をこれだけ残しておけば、100歳まで安心して暮らせるね」
そうした具体的な数字の裏付けがあって初めて、本当に安心できる「遺産分割のバランス」が見えてくるのです。
想いをつなぐ相続コンサルタントKayoからのメッセージ
「万が一の時、うちの年金はどうなるんだろう……」 「老後の生活費、本当に足りるのかな」
そんな風に「なんとなく」不安を抱え続けるのは、とてももったいないことです。 その不安をすっきりと解消するための、一番の方法。それが、将来のお金の動きを具体的にシミュレーションする「キャッシュフローの作成」です。
お金の流れを「見える化」すると、 「手元にこれだけの現金を残しておけば、100歳まで笑顔で暮らせるね」 「このタイミングで少し生前贈与をしておけば、ご家族全員が安心できるね」 といった、ご自身やご家族にとっての「納得の形」が数字でハッキリと分かります。
キャッシュフローの作成は、あなた、そして大切なパートナーへの「最高の思いやり」であり、これからの人生後半戦を心から楽しむためのパスポートです。 元気な“今”だからこそできる準備を、私と一緒に始めてみませんか?
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